旭岳 · ルート
↘ 旭岳 — 中岳温泉周回
⚠️ 羊蹄山のルートはすべて上級者向けの複雑な雪崩地形です(最大斜度およそ37〜47°)。初めてのツアーや無ガイドのAST-1パーティ向きではありません。
斜度 · profile
← 距離 14.6 km →
区間ごとの地形(データ表)
| % | m | 斜度 | 斜面方位 |
|---|---|---|---|
| 0% | 1600 | 22° | NE |
| 3% | 1628 | 29° | S |
| 6% | 1736 | 39° | SW |
| 10% | 1883 | 39° | NW |
| 13% | 2048 | 38° | W |
| 16% | 2211 | 47° | S |
| 19% | 2274 | 27° | E |
| 23% | 2147 | 25° | E |
| 26% | 2077 | 28° | S |
| 29% | 2101 | 37° | S |
| 32% | 2146 | 33° | SE |
| 35% | 2183 | 36° | NE |
| 39% | 2091 | 32° | NE |
| 42% | 2006 | 47° | W |
| 45% | 1887 | 62° | NW |
| 48% | 1826 | 36° | W |
| 52% | 1794 | 32° | N |
| 55% | 1774 | 32° | NW |
| 58% | 1756 | 35° | NE |
| 61% | 1760 | 38° | NW |
| 65% | 1763 | 30° | NW |
| 68% | 1742 | 31° | SW |
| 71% | 1685 | 25° | S |
| 74% | 1637 | 24° | W |
| 77% | 1603 | 28° | W |
| 81% | 1488 | 34° | SW |
| 84% | 1411 | 26° | SW |
| 87% | 1370 | 37° | SW |
| 90% | 1297 | 18° | S |
| 94% | 1253 | 26° | W |
| 97% | 1202 | 31° | W |
| 100% | 1153 | 30° | NW |
📖 ルート解説
旭岳・中岳温泉周回は、北海道最高峰の旭岳(2291m)を越え、お鉢平の外輪を中岳分岐方面へ横断して中岳温泉へ抜ける、標高差約1190m・行程約15kmの大型周回ツアーです。アスペクトは混在し(山頂コーンは南〜西、その先の台地は東を中心に多方向)、ATES評価は『複雑(Complex/レベル3)』に分類される明確な雪崩地形です。これは推奨ルートではなく、地形と状況の説明として読んでください。出発点は『Asahidake Ropeway Ski Area(旭岳ロープウェイ・スキー場)』。
出だしはロープウェイ上部の樹氷帯(姿見付近)から旭岳の山頂コーンへ向かいます。下部は風と硫黄ガスの匂う火口(地獄谷)地形を脇に見ながら、ゆるい雪原から徐々に斜度を上げていきます。樹林の保護はほとんどなく、早い段階から完全な高山帯(アルパイン)です。
山頂コーンに取り付くと斜度が立ち、雪面は風で叩かれてクラスト・アイスバーン・シュカブラが常態化します。最大斜度の51°という数値は、コーン上部の短い急斜面や火口側の急な壁を反映したもので、登りのスキンライン全体の斜度ではない点に注意してください。シールが効かなくなる帯ではスキークランポンやアイゼンが必要になり得ます。詰め上げると『Asahi-dake Summit(旭岳山頂、2291m)』に出ます。
本ルートの核心はここから先です。山頂からお鉢平(広大で平坦、特徴に乏しい高山台地/火口外輪)を間宮岳・中岳分岐方面へ長く横断します。目印となる地形がほとんどなく、視界が落ちると方向感覚を完全に失う、本ツアー最大のナビゲーション・ハザードです。GPSは必携で、コンパスと併用して進路を一区切りごとに確認してください。お鉢内側の噴気孔付近では火山ガスにも注意。極端な強風、持続的弱層、厳しい寒さが常につきまといます。
中岳分岐から斜面を落として『Nakadake Onsen Hotspring(中岳温泉)』へ降ります。ここは管理された施設ではなく、沢沿いに湧く野湯(天然の温泉)で、周囲は雪に埋もれた火山地形です。ここを過ぎてからも、ロープウェイ/スキー場側へ戻る復路があり、これは単純な往復よりも撤退が格段に難しい、一日がかりのコミッティングなツアーであることを忘れないでください。一度お鉢を渡り始めると、引き返すにも長い距離と登り返しが伴います。
滑走・横断時の最重要注意はアスペクトの取り違えです。旭岳はじめお鉢平の各コーンは独立した火山地形で、上部はどの方向にも似た無特徴の斜面が広がります。フラットライト(曇天・ガスで陰影が消える状態)では、計画した面ではなく別のアスペクトへ容易に滑り込み、別の沢系へ引き込まれます。これらの独立峰では毎シーズン繰り返される典型的な失敗です。標高と方位を常にGPS/コンパスで確認しながら、計画したアスペクトを下ってください。雪崩地形であり、安定性評価と進退の判断はすべて各自の責任です。最新情報はJAN(日本雪崩ネットワーク)中央北海道/大雪山の情報を確認してください。
🚗 アクセス・後勤
【登山口・駐車】旭岳ロープウェイ・スキー場が起点。山麓駅周辺に駐車場があり、ロープウェイで姿見駅(上部)へ上がってツアーを開始するのが一般的です。営業時間・運行状況・最終便の時刻は季節と天候で変わるため、当日の運行情報を必ず確認してください。
【アクセス】旭川方面から旭岳温泉へ車でアプローチするのが一般的。冬季は路面凍結・積雪が前提で、スタッドレスタイヤ(必要に応じて四輪駆動)が適切です。公共交通(バス)は便数が限られるため、事前に時刻を確認してください。
【滑走・横断の起点】姿見からの登りで旭岳山頂(2291m)を越えたのち、お鉢平の外輪を中岳分岐方面へ長く横断します。本ツアーは単純な往復ではなく、お鉢を渡り始めると撤退が難しいコミッティングな一日行程です。中岳分岐から滑り込んで中岳温泉(野湯)へ。視界不良に備えGPS/コンパスは必携。
【下山後】旭岳温泉エリアに日帰り入浴可能な宿・温泉が点在します。なお中岳温泉は管理施設のない天然の野湯で、設備はありません。営業時間・冬季営業は各施設で変動するため、現地で確認してください。
📍 羊蹄山の現地メモ
- 山頂ドームは目印が乏しく、ホワイトアウト時はコンパスの方位で行動を。
- 火口の縁は雪庇が発達することがある。縁から十分に離れて。
- 標高およそ1300m以上は風で硬く凍ることが多く、クランポン/スキーアイゼンが要ることも。多くはここから滑降します。
- 山頂付近は全方位を向くため、風成雪と日射が急に変わります。情報のローズ全体を確認してください。
- 対称な円錐+特徴の乏しい山頂のため、フラットライトでは別の方位へ滑り出して登りと違う谷へ下りやすい。滑り出す前に下降方位を必ず確認。
📋 トリッププラン
🏔 地形(自動)
斜度からの推定値です。正式な ATES 評価ではありません。
🌡 今日のコンディション
…
すべて推定値です。公式の雪崩情報・気象情報を優先してください。
⚠️ 雪崩情報(必読)
当日の危険度と雪崩バラ(方位/標高)は公式情報で確認してください。
📝 出発前チェックリスト
🗺 Hokkaido Wilds · Rob Thomson — HokkaidoWilds.org · CC BY-SA 4.0
🎥 山のまこちゃん · 動画レポート
山のまこちゃんが羊蹄山の各ルートを動画で解説しています(埋め込みは許諾申請中)。
ルートデータ出典: Rob Thomson — HokkaidoWilds.org · CC BY-SA 4.0