旭岳 · ルート
↘ 旭岳 — 姿見〜山頂
⚠️ 羊蹄山のルートはすべて上級者向けの複雑な雪崩地形です(最大斜度およそ37〜47°)。初めてのツアーや無ガイドのAST-1パーティ向きではありません。
斜度 · profile
← 距離 5.7 km →
区間ごとの地形(データ表)
| % | m | 斜度 | 斜面方位 |
|---|---|---|---|
| 0% | 1601 | 22° | W |
| 3% | 1610 | 12° | SE |
| 6% | 1619 | 13° | W |
| 9% | 1630 | 25° | SW |
| 13% | 1672 | 29° | W |
| 16% | 1697 | 25° | W |
| 19% | 1740 | 30° | W |
| 22% | 1782 | 32° | W |
| 25% | 1838 | 39° | W |
| 28% | 1895 | 38° | NW |
| 31% | 1951 | 35° | W |
| 34% | 2016 | 39° | W |
| 38% | 2066 | 38° | SW |
| 41% | 2114 | 36° | NW |
| 44% | 2181 | 36° | SW |
| 47% | 2224 | 47° | S |
| 50% | 2270 | 35° | S |
| 53% | 2286 | 47° | SW |
| 56% | 2242 | 36° | S |
| 59% | 2202 | 36° | S |
| 63% | 2136 | 35° | W |
| 66% | 2084 | 39° | SW |
| 69% | 2034 | 39° | SW |
| 72% | 1972 | 35° | W |
| 75% | 1923 | 38° | W |
| 78% | 1863 | 39° | W |
| 81% | 1799 | 32° | NW |
| 84% | 1757 | 25° | SW |
| 88% | 1707 | 29° | W |
| 91% | 1671 | 25° | NW |
| 94% | 1635 | 16° | W |
| 97% | 1622 | 12° | SW |
| 100% | 1611 | 22° | SW |
📖 ルート解説
旭岳(2291m)は大雪山系の最高峰であり、この『姿見〜山頂』ルートはロープウェイ上部の姿見駅(標高約1600m)を起点に、地獄谷上部の南尾根をたどって山頂(2291m)まで標高差約692m、片道約6.0kmを詰め上げる、全行程アルパインのツアーです。アスペクトは西〜南西(平均約259°、滑走帯はW/NW/SWに広がる)。HWはこのアプローチを『チャレンジング(Challenging)』と評価していますが、地形そのものはATES『コンプレックス(複雑地形・レベル3)』に分類される明確な雪崩地形であり、本稿は推奨ではなく地形と危険の説明です。
【姿見駅・姿見の池 約1600m】 出発は姿見の池ビューポイント(Sugatami-no-Ike Viewpoint)付近。すぐ脇に公衆トイレ(Public Toilets、約1596m)があり、ここがロープウェイ最終便までの実質的な行動拠点です。出だしから森林限界の上で、樹林による風よけはありません。地形の概形は穏やかに見えますが、平均斜度は約31°あり、最初の一歩からアルパインのツアーが始まります。
【地獄谷の上を横切る帯 約1600〜1900m】 ルートは地獄谷(じごくだに)の活発な噴気帯の『上』を巻いて高度を上げます。ここが本ルート最大の固有リスクです。噴気孔からは火山ガス(硫化水素H2S・二酸化硫黄SO2)が出ており、暖かい地面の上には薄い雪のブリッジが形成され、踏み抜いて噴気孔に落ちる危険があります。必ず風上側を保ち、湯気の立つ噴気孔には決して近づかないこと。途中、標高約1667mに旭岳石室(Asahidake Stone Hut/緊急時のみ)があり、これは宿泊小屋ではなく非常用の退避場所です。
【上部コーン・偽ピーク 約1900〜2200m】 噴気帯を抜けると、西〜南西に開けた吹きさらしのコーンに入ります。露出した稜面では風が極めて強く、東〜北東(風下)側にはウインドスラブが付きやすい。大雪山特有の寒冷大陸性スノーパックには持続型弱層(しもざらめ・こしもざらめ)が居座りやすく、表面のクラストの下に弱い面が隠れています。山頂手前には偽ピーク(フォールスサミット)があり、視界不良時に『着いた』と錯覚させます。最高点の旭岳山頂は2291mです。
【最大斜度79°の読み方】 このルートの最大斜度79°という数字は、スキンライン(登行線)そのものではなく、火口・噴気壁の短い急峻部を含んだ値である可能性が高い点に注意してください。実際、データ上で45°を超える点は全632点中わずか14点で、中央値は約31°です。滑走帯の体感斜度はこの最大値より大幅に緩やかですが、上部の風衝面では硬いクラストとシュカブラの上での滑落そのものが重大なリスクになります。
【滑走時の最重要注意・アスペクトとホワイトアウト】 旭岳の上部は独立した火山コーンで、どの方向にもよく似た無特徴な斜面が落ちています。フラットライト(曇天・ガス・地吹雪で陰影が消える状態)では、登ってきた西〜南西面と隣のアスペクトを取り違え、別の谷へ滑り込みやすい——これは孤立した火山に共通する典型的なミスです。風冷を含めると気温は−20℃を下回り、急速なホワイトアウトが頻発します。GPS・コンパスで降下方位を確実に確認し、地獄谷側へ吸い込まれないよう一段ずつ高度を落とすこと。雪崩予報は日本雪崩ネットワーク(JAN)中央北海道/大雪山の情報を確認し、安定性評価と各自の判断を行ってください。
🚗 アクセス・後勤
【登山口・駐車】 起点は旭岳ロープウェイ上部の姿見駅(標高約1600m)。山麓のロープウェイ山麓駅に駐車場があり、徒歩でのアプローチではなくロープウェイで姿見まで上がるのが一般的です。冬季の駐車可否・台数・運行は天候と除雪状況に左右されるため、最新情報を必ず確認してください。
【アクセス】 旭川・東川町方面から旭岳温泉へ車でアプローチし、ロープウェイを利用するのが標準です。冬季は路面凍結・積雪が前提で、スタッドレスタイヤや四輪駆動など相応の装備が必要。強風時はロープウェイが運休することもあるため、運行状況を事前確認のこと。
【滑走の起点】 多くの行動者は山頂まで詰めず、上部コーンのコンディション(硬いクラスト・強風・視界)を見て、無理のない高度から滑走に転じます。地獄谷の噴気帯を巻く区間と偽ピーク手前が判断点になりやすい。
【下山後】 旭岳温泉には日帰り入浴のできる温泉宿が点在し、東川町方面にも飲食店があります。営業時間・冬季休業・ロープウェイ最終便の時刻は季節で変わるため、各自で確認してください。
📍 羊蹄山の現地メモ
- 山頂ドームは目印が乏しく、ホワイトアウト時はコンパスの方位で行動を。
- 火口の縁は雪庇が発達することがある。縁から十分に離れて。
- 標高およそ1300m以上は風で硬く凍ることが多く、クランポン/スキーアイゼンが要ることも。多くはここから滑降します。
- 山頂付近は全方位を向くため、風成雪と日射が急に変わります。情報のローズ全体を確認してください。
- 対称な円錐+特徴の乏しい山頂のため、フラットライトでは別の方位へ滑り出して登りと違う谷へ下りやすい。滑り出す前に下降方位を必ず確認。
📋 トリッププラン
🏔 地形(自動)
斜度からの推定値です。正式な ATES 評価ではありません。
🌡 今日のコンディション
…
すべて推定値です。公式の雪崩情報・気象情報を優先してください。
⚠️ 雪崩情報(必読)
当日の危険度と雪崩バラ(方位/標高)は公式情報で確認してください。
📝 出発前チェックリスト
🗺 Hokkaido Wilds · Rob Thomson — HokkaidoWilds.org · CC BY-SA 4.0
🎥 山のまこちゃん · 動画レポート
山のまこちゃんが羊蹄山の各ルートを動画で解説しています(埋め込みは許諾申請中)。
ルートデータ出典: Rob Thomson — HokkaidoWilds.org · CC BY-SA 4.0